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おじさん、語学する

おじさん、語学する (集英社新書)おじさん、語学する (集英社新書)
(2001/06)
塩田 勉

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年末年始のお休みで、語学関係の本を何冊か読みましたがそのなかでダントツにお勧めだったのがこの本です。
2001年出版ということでいささか現在の電子世界事情には即していないところもありますが、それを補って余りある、語学を身につけようとしている者にとっては宝の山のような一冊でした。


この本はフィクションです。
いや、実体験を基にした限りなくノンフィクションに近いハウツー本です、と書いた方がいいのでしょうか。

本作の主人公は、どこにでもいるオジさん、林家常雄氏。
娘さんがフランス人と結婚し、奥さんには先立たれ、生まれた孫娘はフランスで幸せに暮らしている。フランスにいる娘さんから送られてきた孫娘が笑うビデオレターを見ているうちに、自分もフランス語をいっちょやってみるか、孫娘に会いに行って話せたらよかろうな、と思い立った、というのがお話の始まり。

最終的には林家さんがフランス語を用いて電話でホテルの予約をしたり、その予約でひとつまけてもらえませんかね、と交渉まで取り行えるところまで話は進むのですが、そこに至るまでの変遷が面白い。
学生時代にフランス語をかじり、いわゆる学校語学にめっためたにされてからの再出発。
そして段階的にフランス語を理解し、話し、聞き、使う、となる過程が林家さんなりの方法で行われているところが興味深いです。

・動機が決め手
・自分の癖を知り、それに合った方法を自分なりに模索する
・助走には国営放送語学放送がぴったり
・なまけ心にどう対処するのか
・生きた相手が必要
・お友達会話と戦う会話
・単語、それが問題だ
・うまずおこたらずに、はげみつとめる工夫をしよう

この本の根底に流れているのは、「ハウツー本とは万人向けであり、あなただけにぴったりくる本などないことを知り、各人で工夫して自分なりの『方法』を見つけましょう」というメッセージです。
林家さんの物語が面白いのは、この「自分なり」の考え方が現実に即して、かつその個性と生き方に反発しないからだと思います。
誰でも癖があり、怠け心あり、到達したい目標は違うもの。
そうなれば、取りかかりから途中の道筋まで違って当たり前であり、用意する装備も変わってくるものです。
それをよくよくお考えなさいな、とこの本は言っているように思えます。

しかし、いちから語学を学ぶ方法を考え出すのはあまりに私たちには時間がない。
だから、世のハウツー本から自分に合った部分だけを切り取って、合わないところはそぎ落として、さらに改良して自分だけの方法を作っていけば良いのでは?
と問いかけてくれています。

だからして、この林家さんのお話を読み、感銘を受けてそれをまるっきり実践しようとするのでなく。
林家さんの方法も一理ある、けれど私はさらにこうしたい、となったなら、それはもう自分だけの方法、ということになるわけです。

ハウツー本に書かれていたからといって、がっちがちにそれをただひたすら守ってなぞっていくのではなく、柔軟に、自分に合う(合うかどうかは試してみないとわからないのでしばらくはお試し期間として)条件にハードルを下げたり、ときには上げてみることも必要だよ。
私はこの本にそう教わりました。
違う方は読まれたら、また違った感想を抱かれるのだろうな、とは思いますが。


語学に対するモチベーションを持続していくために時折読み返したい、貴重な薪本となりました。
林家さんのお話の中で、星の王子様のニホンゴ文と原文を交互に読んでいくことによって、単語を増やそう、というくだりがあって、そこは私も早速実践してみよう、と思った次第です。影響されているなあ。

2009/01/03(土) 23:59 | Buch | トラックバック(-) | コメント(-)

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